飲食店の原価率・経費管理のキホン|どんぶり勘定から抜け出す3つのポイント
この記事のポイント
- 原価率は「売上に対する食材原価の割合」で表す
- 一般的な飲食店の原価率の目安は30%前後(業態により変動)
- ロス(廃棄)や試食も原価に含めて考えることが重要
- 正確な記帳があってはじめて、原価率は「見える化」できる
「なんとなく儲かっている気がするけれど、実際の利益率は分からない」——これは飲食店経営でよくある悩みです。その原因の多くは、原価率や経費を正確に把握できていない「どんぶり勘定」にあります。この記事では、原価率の基本的な考え方と、経費管理のポイントを解説します。
原価率とは何か
原価率とは、売上に対して食材などの原価がどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。計算式は次の通りです。
| 計算式 | 内容 |
|---|---|
| 原価率(%)= 食材原価 ÷ 売上高 × 100 | 例)売上100万円、食材原価30万円の場合、原価率は30% |
一般的に飲食店の原価率は業態によって異なりますが、居酒屋やレストランでは28〜35%程度、原価率が高くなりやすい寿司店や焼肉店では35〜40%程度が目安とされることが多いです。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、業態やコンセプトによって適正水準は異なります。
原価率を正確に把握するための3つのポイント
ポイント1:仕入れの記録を「使った分」だけでなく正確に残す
仕入れの記帳は、業者からの請求書や納品書をもとに、いつ・何を・いくらで仕入れたかを正確に記録することが基本です。まとめ買いをした食材が翌月にまたがって使用される場合、月ごとの正確な原価を出すには棚卸し(在庫の確認)も重要になります。
ポイント2:ロス(廃棄)や試食分も見えるようにする
仕入れた食材のすべてが売上につながるわけではありません。賞味期限切れによる廃棄、まかない、試食、接待用の飲食など、売上に直結しない食材の消費も発生します。これらを把握せずに「仕入額=原価」として計算してしまうと、実際の原価率よりも低く見積もってしまい、経営判断を誤る原因になります。
ポイント3:経費を勘定科目ごとに整理する
原価以外にも、飲食店には次のような経費が発生します。これらを勘定科目ごとに整理することで、どこにコストがかかっているのかが見えてきます。
- 人件費:正社員給与、アルバイト・パート給与、社会保険料など
- 地代家賃:店舗の家賃、共益費など
- 水道光熱費:電気・ガス・水道代(厨房設備は特に電気・ガス代が高くなりがち)
- 消耗品費:おしぼり、割り箸、洗剤、店内備品など
- 支払手数料:キャッシュレス決済の手数料、POSレジの利用料など
- 広告宣伝費:グルメサイトの掲載料、SNS広告費など
数字を「見える化」することで得られるメリット
正確な記帳によって原価率や経費構造が見える化されると、次のような経営判断がしやすくなります。
- 原価率が高いメニューを見直し、利益率を改善する
- 人件費率が適正水準か確認し、シフトの組み方を調整する
- キャッシュレス決済の手数料負担を把握し、決済手段の見直しを検討する
- 複数店舗がある場合、店舗ごとの収益性を比較する
これらはすべて、日々の記帳が正確に行われていることが前提になります。逆に言えば、記帳さえ整っていれば、特別な会計知識がなくても「儲かっているかどうか」を数字で判断できるようになります。
専門家からのワンポイント
原価率や経費の分析自体は記帳代行の範囲でサポートできますが、それに基づく具体的な節税対策や税務上の判断が必要な場合は、税理士など専門家にご相談ください。当社では、記帳データをもとにした月次レポートの提供までを行っています。
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